東京ありがた記

東京ありがた記

Arigataki is written in Tokyo.

【投資信託の選び方】絶対に負けられない投資がそこにはある

世の中には絶対に負けられない投資があります。

私たちの場合、それは老後資金の運用です。

政府からは危機感を煽られ、資本主義社会からはマーケティングの標的にされ続けているのですから、何もしなくても私たちの大切なお金は思っている以上にリスクにさらされていいます。

しかしそこで焦ってあらぬ方向へつっ走ろうとしないで、まあ落ち着いてください。

まずは私がこれまで買ってきた投資信託の話を聞いてからでもおそくありませんよ。

投資信託のリスクとは?リターンとは?

まず初めにこちらのグラフをご覧ください。

これから紹介するおすすめ投資信託のパフォーマンスを表しています。リターンは直近1年間のものです。リスクはリターンに対する上下の振れ幅を表しています。

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参照元: モーニングスター ※参照データは2021年8月現在のものです
例えばSは44%もリターンをたたき出していますが、上下14%の振れ幅がありますこれはつまりリターンが58%に上振れするかもしれないけど30%に下振れするかもしれないということですこのことを踏まえて、投信選びをしていきましょう

投資信託おすすめの6選

ひふみ投信

レオスキャピタルワークスの『ひふみ投信』は2008年10月に運用スタート。
投資カテゴリーは国内中型グロース株中心のアクティブファンドです。
ひふみ投信』の推しポイント
  • 外国株式にも投資開始
  • おもしろいイベントに参加できる
  • WEB口座のUIが分かりやすくて使いやすい←これ重要

セゾンバンガードグローバルバランスファンド

セゾン投信の『セゾンバンガードグローバルバランスファンド』は2007年3月に運用スタート。
投資カテゴリーは国内外株式、債権中心のパッシブファンドです。
『セゾンバンガードグローバルバランスファンド』の推しポイント
  • 米国最高の運用会社バンガードとの長年にわたるパートナーシップ継続中
  • 世界中の株式と債権に分散投資
  • 絶対に負けられないiDeCo運用におすすめ

ikenohatazo.hatenablog.jp

結い2101

鎌倉投信の『結い2101』は2010年3月に運用スタート。
投資カテゴリーは国内小型グロース株中心のアクティブファンドです。
『結い2101』の推しポイント
  • ファンド一本勝負の心意気
  • 「いい会社」に投資するという創業以来のブレないポリシー
  • 受益者のファンドに対するロイヤリティが高いと感じる

コモンズ30ファンド

コモンズ投信の『コモンズ30ファンド』は2009年1月に運用スタート。
投資カテゴリーは国内大型グロース&バリュー株中心のアクティブファンドです。
『コモンズ30ファンド』の推しポイント

SBI・V・S&P500インデックスファンド

SBIアセットマネジメントの『SBI・V・S&P500インデックスファンド』をは2019年9月に運用スタート。
投資先は米国バンガード社のVOO(Vanguard S&P 500 ETF)です。
『SBI・V・S&P500インデックスファンド』の推しポイント
  • VOOが投資するS&P 500インデックスの30年間の平均リターンは11%i以上
  • 積立NISAの最善の選択肢のひとつ
  • ポイントが貯まるお得なクレカ積立あり

楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)

楽天証券の『楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)』をは2017年9月に運用スタート。
投資先は米国バンガード社のVTI(Vanguard Total Stock Market Index Fund   ETF)です。

楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)』の推しポイント

  • VTIの保有銘柄はVOOの500社に対して8倍の約4,000社
  • 積立投資で楽天ポイントが貯まる貯まる
  • ポイントを再投資できるから投資効率抜群

ikenohatazo.hatenablog.jp

知らないとヤバい資産を増やす投資と減らす投資

ここまでまとめて思ったのは、やっぱり米国株の優位性はこの先も動きそうもありません

でも私たちは日本に住んでいて日本企業の商品やサービスを利用している立場ですから日本株のことは頭の隅にでもいれておくことにします

では最後に資産運用を台無しにする投資案件の注意喚起をして終わりにしたいと思います。こちらからどうぞ

 

ikenohatazo.hatenablog.jp

 

SBIでつみたてnisaするならこれだけ語らせろ!

【絶対に負けられない投資がそこにはあるシリーズ】のお時間です。

第五回目は、誰もが待ち望んだファンドの理想形、

『SBI・V・S&P500インデックスファンド』を紹介します。

さらに「楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)」など他のおすすめ投信はこちらにまとめています。

ikenohatazo.hatenablog.jp

SBI·V·S&P500インデックスファンドの直近1年のリターンは44%

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参照元 : モーニングスター

純資産総額 :  288,265百万円

信託報酬(税込):  0.09% 

※2021年8月現在のデータです

【教訓】投資初心者がよくやりがちなお金の溶かし方

私はSBI証券がまだイートレ―ド証券だったころからの古参です。

初めの数年間は例えばライブドアとかガンホーなど当時の話題株を追った結果大きく負けていました。

個別株に懲りた私が次に目をつけたのはレバレッジETFでした。

それは日経平均の2倍の値動きを謳ったETFで投資家の射幸心を煽って人気を博していました。

当然私も飛びつき多額の資金を投入したのですがあっというまに大切なお金が半分になり、1/3になり、1/10に溶かしてしまいました。

自分の不得意なことをやっているにもかかわらず、気づかないまま間違った方向に突っ走ってしまっていたのです。

教訓だと思ってこちらもどうぞ。

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かつて徳川家康は若いときに大敗を喫した時の気持ちを忘れまいと、その惨めな己の姿の絵を描かかせ所持していたといいます。

私も徳川家康公に倣い愚かなだった頃の自分を忘れないためにボロボロの株を損切りせずに待ち続けています。

※思うところあってこの後ぜんぶ損切りしました。

つみたてNISAで、投資を止めるな!

ウサギとカメの話に例えるなら私は愚かなウサギそのものでした。

悔い改めてこれからは賢いカメになろうと決めました。

『SBI·V·S&P500インデックスファンド』は、そんな善良なわたしやあなたのための投資信託なのです。

米国にはバンガード社という老舗の投資信託会社があります。

そのバンガード社の看板商品はS&P500指数と連動を目指す『Vanguard 500 Index Fund ETF』通称『VOO』です。

そこにSBI証券が投資しているのが『SBI·V·S&P500インデックスファンド』です。

もちろんSBI証券から直接『VOO』を買うこともできます。

それでも『SBI·V·S&P500インデックスファンド』を買う理由はただひとつ、

「つみたてNISA」が活用できるからに他なりません。

「つみたてNISA」は私たちの老後のサポートを諦めた政府による最後にして最高ののプレゼントです。

これでなんとか生き残ってくれと強力アイテムを託して去っていく老兵のようです。

 私たちは賢いカメになろうと歩みはじめています。

カメの強みは遅くても確実にゴールに到達することです。

だから、

つみたてを止めるな!

たまに読み返しては、自分が正しい方向に進んでいることを確認できるモチベーション維持によく効く名著です。

コモンズ投信の『コモンズ30ファンド』について語らせろ!

お金が大好きな、ありがた記の管理人です。

【絶対に負けられない投資がそこにはあるシリーズ】のお時間です。

第四回目は、コモンズ投信の主力ファンド、

『コモンズ30ファンド』を紹介します。

ちなみに、「楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)」や「SBI・V・S&P500インデックスファンド」など他のおすすめ投信はこちらからどうぞ。

 

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コモンズ30ファンドの直近1年のリターンは35%

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参照元 : モーニングスター

純資産総額 :  29,394百万円

信託報酬(税込):  1.08% 

分配金利回り :  0.78% 

 ※2021年8月現在のデータです

コモンズ30ファンドの「論語と算盤」的デューデリジェンス

コモンズ投信の渋沢さんは、あの渋沢栄一翁の子孫だということはよく知られています。

渋沢翁は成し遂げた偉業があまりにも多いのですが、その根底には「論語と算盤」の思想があったといわれています。

話をシンプルにすると、論語は道徳を、算盤は経済を意味します。

つまり、いいことをしてお金を儲ける方法です。

誰でもすぐにできることではありませんが、次の大切な2つのコンセプトを知ることならすぐにできます。

視・観・察
知・情・意

これを説明するには『コモンズ30ファンド』を例にするのがいいでしょう。

なぜなら子孫の渋沢さんたちのやっているファンド運営がそのままこのコンセプトを体現しているからです。

「視・観・察」はいずれもみるという意味を含んでいますがだんだんとみる階層が深くなっていきます。

  • まず企業の活動を「視」る。
  • 次に企業の動機を「観」る。
  • 最後に企業が何に満足しているかを「察」る。

これなら私たち素人にもできそうだなんて夢にも思わないでください。

これができるのは「知・情・意」を全て兼ね備えたプロだけです。

それは即ち知識、情愛、意志。

論語と算盤」は道徳と経済だとしましたが、道徳だけだと優しいけど弱い。

経済だけだと強いけど優しくない。

優しくて強いけど意思がなければそもそも何もできません。

家元の渋沢家でも「論語と算盤」は代々伝授されていると思いますので、渋沢さんところの『コモンズ30ファンド』も「論語と算盤」視点で厳しくデューデリエンスされているはずに違いありません。

ここまで言っておいてアレですが、私は2017から続けていた『コモンズ30ファンド』積立投資を3年でストップしました。

その理由は日本株を遥かにアウトパフォームする米国株への資金のシフトというのは建前で本音は日本株に対する嫌悪感です。

しかし『コモンズ30ファンド』はずっと好成績たたき出していますし、分配金も出ていますので、そのまま再投資していけば資金を追加しなくても複利効果で資産がすくすく育ってくれるとてもありがたき投資信託です。

鎌倉投信の『結い2101』について語らせろ!

お金が大好きな、ありがた記の管理人です。

【絶対に負けられない投資がそこにはあるシリーズ】のお時間です。

第三回目は、鎌倉投信の看板ファンド、『結い2101』を紹介します。

ちなみに、「楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)」や「SBI・V・S&P500インデックスファンド」など他のおすすめ投信はこちらからどうぞ。

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結い2101の直近1年のリターンは13%

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参照元 : モーニングスター

純資産総額 :  49,150百万円

信託報酬(税込):  1.10% 

 ※2021年8月現在のデータです

 鎌倉投信との出会いから別れまで

鎌倉投信はその名の通り鎌倉に拠点を置くファンドです。

2014年の春に、私は鎌倉投信セミナーに参加するため、鎌倉まで赴きました。

JR鎌倉駅から鶴岡八幡宮の前を通り過ぎてしばらく歩くと山の中の農村のような地域に入っていきます。

作業着を着たおじさんが伸び放題に伸びた草を一生懸命に刈っています。

もうそろそろ着きそうだなと思っていると近くに古民家がみえてきました。

そして目指す鎌倉投信本社はまさにの古民家でした。

玄関には鎌倉投信と書かれた木の表札が掲げられています。

古民家ですから当然靴を脱いで上がります。

広間には本棚があり、あのウォーレンバフェットの師と言われるベンジャミングレアムの古典『証券分析』も置かれていました。

やっぱりプロも読んでいるんだ!と妙に感心してる間にセミナーが始まりました。

最初は鎌倉投信の社長の挨拶からだったのですが、登場したのはついさっき近くで草刈りをしていたおじさんだったのには驚きました。

次いでファンドマネージャーのお話では、日本は課題先進国であること、鎌倉投信が定義するいい会社とは即ち課題解決企業だとしています。

また、『結い2101』のパフォーマンスについては、リターン、リスクともに10%を目標に年率5%以上のリターンを目指すということでしたが、上記のグラフを見る限り、概ね達成していると言えます。

最後に私は個人的に買っている投資信託はあるのかという、今思えば不躾な質問をしてしまったものですが、超一流のファンドマネージャーは全財産を『結い2101』で運用していると答えてくれました。

 セミナーを終え鎌倉駅に戻る途中にあった鎌倉ニュージャーマンで名物のかまくらカスターを買って帰りました。

後日自宅にふで封書が届きました。

それは鎌倉投信からの口座開設書類だったのですが封書の表面には筆のような筆跡で私の住所と氏名が書かれており、まるで果し状のようでした。

正直に言うと私は既に『結い2101』からは完全撤退しています。

その理由は単に私が日本株なんてダサくてダサくてどうしょうもないと勝手に思ってしまったからです。

でも、ほとんどの人はそんなこと思ってないだろうし、実際鎌倉投信は今でも多くのファンから愛され続けています。

ただ私だけが変なのです。

セゾン投信の『セゾンバンガードグローバルバランスファンド』について語らせろ!

お金が大好きな、ありがた記の管理人です。

【絶対に負けられない投資がそこにはあるシリーズ】のお時間です。

第ニ回目は、セゾン投信とバンガードががっちり組んだ最良ファンド、

『セゾンバンガードグローバルバランスファンド』を紹介します。

ちなみに、同じバンガードを冠する「楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)」や「SBI・V・S&P500インデックスファンド」など他のおすすめ投信はこちらからどうぞ。

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セゾンバンガードグローバルバランスファンドの直近1年のリターンは19%

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参照元モーニングスター

純資産総額 :  277,735百万円

信託報酬(税込):  0.57% 

 ※2021年8月現在のデータです

iDeCoの合言葉、「バンガードはどこ?」

2020年の夏、バンガードは日本から撤退してしまいました。

バンガードは長期、分散、低コストのインデックス運用のパイオニアで、40年以上に渡り多くの米国人の資産を増やして続けています。

そんな人を幸せにしてきたバンガードが逃げ出す日本市場っていったいどうなってるんですかね?

事は思っている以上に深刻かもしれません。

映画『シン・ゴジラ』に出ていたカヨコ・アン・パタースン石原さとみ)もきっとこう投げかけるでしょう。

「バンガードはどこ?」

でもご安心ください。

実はセゾン投信とバンガードのパートナーシップがまだ継続中です。

私がバンガードを知ったのはセゾン投信の『セゾンバンガードグローバルバランスファンド』に投資を始めてからです。

そのセゾン投信が2017年に10周年記念セミナーを開催したのですが、創業時からのパートナーであるバンガードとまさに一連托生の関係を印象づけていました。

おみやげにはバンガードのトートバッグが用意されていて、赤、紺、キナリから紺を選んでいまだに気に入って使っています。

私は2014年から『セゾンバンガードグローバルバランスファンド』への積み立て投資をしていましたが、あまりにも盤石な運用成績のため、2020年に絶対に負けられない投資であるiDeCoに移行して老後資金を委ねることにしました。

では最後に、絶対に負けられない投資の合言葉をご一緒に。

「バンガードはどこ?」

追記 

2020年、日本はバンガード社から逃げられてしまいました。

バンガード社と良好なパートナーシップを築き上げ、バンガード社の積み立て投資で資産を増やしていく考え方を日本に伝導してくれたセゾン投信の貢献は大きいと思います。

さらにセゾン投信自体はファンが多いから資金流出の心配はあまりないかなと思っています。

ファンド名称からバンガードの名が消えたからといって気にする人はあまり多くないかもしれません。

しかし、私にとっては重大な決断を迫られる事態でした。

そして私は撤退を決めたのでした。

レオスキャピタルワークスの『ひふみ投信』について語らせろ!

お金が大好き、ありがた記管理人です。

【絶対に負けられない投資がそこにはあるシリーズ】では、私がこれまで実質に投資してきた投資信託を紹介していきます。

第一回目は、レオスキャピタルワークス社の超人気ファンド、『ひふみ投信』です。

ちなみに、「楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)」や「SBI・V・S&P500インデックスファンド」など他のおすすめ投信はこちらからどうぞ。

 

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ひふみ投信の直近1年のリターンは23%

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参照元モーニングスター

純資産総額 :  149,627百万円

信託報酬(税込):  1.08% 

 ※2021年8月現在のデータです

ひふみ投信と一緒にいるとポカポカする

2013年4月から積立継続中です。

実は何度か一身上の都合で何度か換金していますが、その度に利がしっかりとのっていて、元本を割れたことはありませんでした。

ところで、株式投資をしていくと経済に興味を持つようになります。

さらに国内だけではなく海外、特に米国の情勢にも興味の範囲が広がっていくようになります。

すると今まで気づいていなかった重大なことに気づくことになったのです。

それは米国の圧倒的なパワーと、それに比べて日本の凋落のひどさをリアルに認識したのでした。

それ以来私は日本株をネグレクト状態です。

ひふみ投信』はものすごく気に入っていた投資信託でしたが、日本株だけというのがここでネックになっていました。数年前から海外の企業へも投資するようになったのです。

日本株に対する嫌悪感と『ひふみ投信』へのロイヤリティの間の中で私は悩みましたが、結局積み立て継続することに決めました。

理由は2つありました。

ひとつは海外の企業へも投資するようになったことで日本株が少し中和されたこと。

もうひとつは、『ひふみ投信』のポカポカするおもてなしを受けていたからです。

ひふみ投信』では基準価格が節目の数字を達成するごとにおまんじゅうをプレゼントしていました。

ある日私のもとにも基準価格5万円を記念した「5まんじゅう」が届きました。

食べてみるとこれがすごくうまい。

後日都内のレオスキャピタルワークス本社のセミナーに参加した時、その5まんじゅうのうまさを代表の藤野さんに伝えたところ、

「でしょっ!?」

と自信ありげにおっしゃっていました。

きっとファンドの投資先を選ぶのと同じマインドでおまんじゅうも選んでいるのだと思いました。

そんなファンド、信頼できないはずがありません。

というわけで私はひふみ投信の積み立てを続けています。

おかがで資産もポカポカです。

源氏物語が大河ドラマで始まる前に全巻読破できるかも?

源氏物語、2024年大河ドラマ化決定

大河ドラマの舞台は基本的に戦国、幕末時代が圧倒的に多いことで知られています。

今年は徳川の世が来て平和になったと思ったら来年はもう幕末で徳川の世が終わったり、ほぼその繰り返しです。

で、2023年もまた徳川公の出番となるわけですが、そのあとにやってくるのが、なんと紫式部源氏物語です。

いったい誰が予想したでしょうか?

 

源氏物語の全巻読破の壁

先日訪れた美術館の一室に、源氏物語の画帳や屏風が展示されていました。

その場所で私は物語のどの場面なのか当てる源氏物語検定を勝手に始めていましたが、正解率はわずか二割ほどでした。

私はこれまで源氏物語の通読に何度もチャレンジしてきた過去があります。

しかしそこには必ず立ちふさがる壁がありました。

それは物語の長大さ、登場人物の多さ、そして名前の覚えにくさでした。

しかもその名前すらころころ変わっていくので誰が誰なのやらもう追跡できません。

さらに事あるごとに交わされる平安貴族たちの歌の波状攻撃にはもうお手上げ。

こうなったらマンガだと、評判の漫画版源氏物語にも手を出してみたのですが、こちらはまた別の理由で挫折しておます。

登場人物の女性たちは平安貴族ですからヘアースタイルは基本黒髪ロング、衣装もいわゆる十二単姿でマンガに描かれています。

つまり全員がおなじスタイルだから見分けがつかないのです。

登場人物の見分けがつかないマンガなんて、はたしておもしろいでしょうか。

結局私は源氏物語の通読を何年も先送りし、美術館の王朝ものの前を素通りするようなアートリテラシーの低い人間のままでした。

源氏物語の逆輸入版で全てはうまくいった

そんな劣等感を感じながらも源氏物語通読の悲願は諦めていませんでした。

そしてある日、amazonアルゴリズムが一冊の本をリコメンドしてきたのです。

源氏物語 A・ウェイリー版』です。『源氏物語 A・ウェイリー版 (全4巻)』をamazonで調べる

これは世界で初めて源氏物語を英訳したアーサー・ウェイリーさんの『The Tale of Genji』を日本語に翻訳し直すという逆輸入的源氏物語です。

源氏物語全54帖を4冊に分けて収録していて一冊がレンガのように分厚いのですが、全巻クリムトの絵画で装丁されていてエレガントな雰囲気です。

クリムトといえば琳派の影響も受けていると言われてますし、そもそも琳派は王朝文化に憧れた人たちの系譜ですから、そんなコンテクストが込められたられたおしゃれな装丁です。

エレガントなのは装丁だけではありません。

アーサーウェイリーは王朝文化を自国〈英国〉文化に置き換えて表現することで、英語圏の人たちの理解を促す工夫をしています

例えばこんな感じです。

  • 酒→wine
  • 牛車→wagon
  • 数珠→rosary
  • 衣装→doress
  • 六条御息所Lady Rokujo

 

で、『源氏物語 A・ウェイリー版』では俳人と詩人のインテリ姉妹が和洋折衷の絶妙な和訳技を見せています。

  • 酒→wine→ワイン
  • 牛車→wagon→馬車
  • 数珠→rosary→ロザリオ
  • 衣装→doress→ドレス
  • 六条御息所→Lady Rokujo→レディ・ロクジョウ

源氏物語 A・ウェイリー版』実際に読んでいくと不思議に違和感はなくて、むしろこれまでにない源氏物語体験に没入してしまいました。

そしてなんと実にあっさりと全4巻読了してしまったのです。

実はいくつか訳だしされていない帖があるのですが、それでも源氏物語を語れるだけのリテラシーはばっちり身につきます。

未訳の帖は改めて従来の現代語訳版を読んでコンプリートさせたらいいでしょう。

でもその時以前挫折してしまったことを思い出してしまうかもしれません。

だがしかし心配無用です。

すでに『源氏物語 A・ウェイリー版』で物語のキャラクターや背景を理解していますから、かつて挫折の要因だった障害のほとんどが取り除かれています。

意外なほどスムーズに読むことができるはずです。

源氏物語を攻略する方法はひとつじゃない

さてここまで私の源氏物語攻略の道のりをお話してきましたが最後にまとめです。

源氏物語を山に例えてみるとほとんどの人がいくつかの有名なルートから登り始めますが、次々と脱落していきました。

有名なルートだからといって簡単なルートではなかったからなんですね。

でも諦めずに別のルートを探していたら意外なところにイージーでなおかつエレガントなルートがあったんです。

それが『源氏物語 A・ウェイリー版』です。『源氏物語 A・ウェイリー版 (全4巻)』をamazonで調べる

そのルートで一回源氏物語の登山の成功体験をしてみることをおすすめします。

正統派のルートも次からは比較的イージーに登ることができるようになるかもしれませんよというお話でした。

目 [mé]のパトロンになりたくて(なれないけど)/ 目 [mé]「ただの世界」@SCAI THE BATH HOUSE

事前予約枠がすぐに埋まってしまった 目 [mé]の「ただの世界」に突撃した非アートガチ勢の視点

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ぜんぶ目[mé]のせいだ。

通りすがりのアート好き、ありがた記管理人です。

現代アートチームの 目 [mé]「ただの世界」を観てきました。

私はどちらかというと事前情報なしで展覧会に突撃するタイプだったのですが、

さすがにそれだと、今回はおそらく滞在時間は5分ともたなかったことでしょう。

というか、今回は作品所有というところがポイントで、そのための説明を聞くか聞かないかでアート体験に大きな格差が生じてきます。

ところで、会場のSCAI THE BATH HOUSEは古い銭湯をリノベーションしたギャラリーです。(なぜか今回は改築工事現場のようにシートで覆われていた)

入り口にある小さな暖簾をくぐり、木枠のガラス引き戸をガラガラっと開けると、そこは銭湯時代の下駄箱なんかがそのままま残されている玄関です。

展示会場は玄関のすぐ先にあります。

元番台があったと思われる受付のそばには普段は木材でできた小上がりのようなスペースがあるのですが、今回はそこに作品所有説明専用部屋が設置されていました。

私たち来訪者はその仮設の小部屋で説明員が提示した書類を見ながら、メイン作品《Life Scaper》の説明を受けることになります。

結局一時間ほどギャラリーに滞在していましたが実は「ただの世界」はここで終わりません。

どういうことなのか説明するために、ギャラリーのリリースを引用しましょう。

作品が提示する世界の可能性は展覧会の会場を後にした日々の脳内で培養されることでより一層強化します。鑑賞者はその想像領域への能動的な参加によって、作品を体験し関係性を深めていくこととなります。

 確かに《Life Scaper》のコンセプトを知ってしまったら最後、もう二度とギャラリーに来た時と同じような心持ちで帰ることができません。

ガラスの引き戸を開けて外に出た瞬間から、《Life Scaper》が出現するかもしれないからです。

展覧会を観た人たちの中にはそのコンセプトをおもしろいといって作品を所有、つまり金を出して買う人がいると思います。

そのお値段は物凄く高いというわけではないけども、ちょっと覚悟のいるお値段でした。

買えちゃう人は単にお金を持っているというだけでなく間違いなくアートガチ勢です。

目 [mé]パトロンになってもいいと思っているはずです。(知らんけど)

嗚呼、ただの世界

What Yasujiro Ozu said about when to spend money to enrich your life.

Luxury is something you do

Because it fills your heart

To go to a place

To meet people.

All of that is included in the meal.

 

Why Yasujiro Ozu Didn't Spend a Lot of Money Around Here?

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Eel is called "unagi" in Japanese.

One day.

Director Yasujiro Ozu was visiting a film actor at his home.

At lunchtime, the actor's wife suggested that they go to a nearby eel restaurant to eat eel.

She knew that the director was an unparalleled eel lover.

However, Ozu was very clear.

We can't eat just any eel.

Eels were then and still are a luxury, but there are still people who mistake luxury for waste.

But that's not true, Ozu believes.

Yasujiro Ozu asked the question. "What fills your heart ?"

We should all take this quote to heart.

When I think about it, I wonder how much money I have spent "around the corner," as Ozu put it.

From now on, we should only spend money on things that fill our hearts.

Now that I have made that decision, there is only one question I need to ask myself.

If you can answer that question, you're in the right place.

If you can answer that question, I believe you will be able to enrich your life a little more.

Because when you know exactly what you want and what you don't want, you can focus only on what you want.

It's not a good idea to chase after your potential forever.

Only children are allowed to do that.

If you have not been able to choose anything, you are a perpetual wanderer, not knowing what you are good at and what you are not good at.

Yasujiro Ozu, who wanted to make movies and concentrated on movies

It seems that Yasujiro Ozu wanted to make movies and focused on them from a very young age.

It seems that from a very young age, Yasujiro Ozu wanted to make movies and focused on them.

And I find that the same quote applies to movies.

A good movie is something you watch.

They fill your heart.

You go to the place.

You meet the people.

All of that is part of the movie. 

I'm sure we all have something else we strongly desire besides eels and movies.

Let's start by thinking about it.

This is the story of how John Lennon fell in love with Japanese art

The artist John Lennon often stayed with his family in Japan, the homeland of his wife Yoko Ono.

This was around the time when he stopped his extremely busy band and started his solo career.

 

John Lennon's Beautiful Days in Japan

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The image above is a character that means "beauty".

You can still stay in the rooms where John Lennon and his family stayed at traditional hotels in Hakone and Karuizawa.
In addition, milk tea, for which John Lennon taught the recipe, is a specialty.
The family's portraits are displayed in an old photo studio nearby.
What you can feel in this one of the best resorts in Japan is John's presence as a family man.

But where else can you feel the soul of John Lennon as an artist?
It was Tokyo.

There is one antique store near Yushima Tenjin in Tokyo that still exists today.
When I visited this antique shop, the owner told me an anecdote about John Lennon's encounter with Japanese art.
Not many people know about the experience of the previous owner.

John Lennon in a corner of Tokyo

It was January 1971, and without warning, John and Yoko suddenly came to the store.

The previous owner of the store did not know John Lennon(nor The Beatles), but when he saw John asking questions about the paintings and drawings he saw and buying them one after another, he thought, "What a connoisseur!

 He was either a great connoisseur or a great fool.

Here are some of the things John bought at that time.

  • Hakuin Ekaku 
  • Senga Gibon
  • Muroi Kikaku 
  • Matsuo Basho and others

John was especially happy to buy a strip of paper by Matsuo Basho, which he held in his arms for a long time.

It was the famous haiku, "Furuike ya kawazu tobikomu mizu no oto" (Old pond- a frog jumped in-sound of water), but how did Yoko translate it?


John probably didn't know who the painting he was buying belonged to.

But why did he go crazy for it? 


John Lennon saw things with his eyes.


John Lennon is not a man who sees things with his eyes, but with his heart and soul. So John Lennon understands.

At the Kabuki-za Theater, then John Lennon...

The previous owner then took John and his friends to Kabuki-za.


When they arrived, the play "Sumidagawa" had already started.
He wanted to show them a flashy Kabuki performance, but the timing was not right and they came across a very gloomy scene.

The previous owner was wrong.

But when he looked at John, he was crying incessantly.

Yoko wiped away John's tears with a handkerchief.
Seeing this, he thought to himself,

 Their hearts must be in one accord.


It is a well-known fact that John Lennon was greatly influenced by Yoko Ono, a contemporary artist.
John Lennon is a man who
understood the essence of all beauty, and he said

 I am sure that Yoko Ono cultivated John Lennon.

aHow to get along with John Lennon


The interesting thing about this story is that people who had never met before were able to communicate with each other through Japanese art.


This is a communication that would have been impossible between John Lennon and his fans, or in other words, between one person and many.
However, it proves that those who understand the essence of beauty can reach a deep mutual understanding in no time at all.


What makes people connect with each other?

What do we want to connect with others?

We can choose that something.