東京ありがた記

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Arigataki is written in Tokyo.

オアシスが『モーニング・グローリー』とネブワースで起こした90年代のバズり方

90年代でいちばんバズったアルバム『モーニング・グローリー』

私はかつて英国のバンド、オアシスにどっぷりハマっていた時期がありました。

1995年のことです。

ちょうど私は『モーニング・グローリー』 が出る頃に英国に滞在していました。

当時オアシスの勢いは凄まじく英国中のティーンの話題をかっさらっていました。

今でもその雰囲気を思い出すことができます。

さらにその年はビートルズも新曲を出しています。

『フリー・アズ・ア・バード』です。

つまりこの年はオアシスとビートルズの新曲をほとんど同時に聞けたプレミアムな年で、私はタイミングよく英国に長期滞在していました。

この年の初めに日本では大災害と大事件が発生しましたが、英国では銀行が潰れたりする不穏な時代背景でした

経済的に傷付いていた英国では、ティーンの女子たちですら退廃的でした。

私が遭遇した実例をあげましょう。

  • 白昼カツアゲされること数回
  • 路上でアルコールをせびらること数回
  • 卑猥な言葉やジェスチャーをなげかけられること数回

だけどそんな彼女たちもオアシスの曲を鼻歌まじりで口ずさんでいたのを覚えています。

にくめないやつらなんです。

90年代でいちばんバズった「ネブワース・ライブ」

話は翌年の1996年に移ります。

オアシスはギネス級の動員ライブを成功させました。

ヒストリカル・ネブワース・ライブ」です。

当時私はBBCラジオによるライブの実況音源CDを入手しています。

そこではテンション爆上がりしたノエルギャラガーとドライなリアムギャラガーの掛け合いが確認できます。

これは歴史的だ!今、ここは、歴史的瞬間だぜ!

アホか、ここはただのネブワースだっつーの!

oasisが『モーニング・グローリー』を出した1995年はマイクロソフト社がWindows'95を世に出した年でもあります。

それから十数年後ツイッターがサービスを始め、アップル社がiphoneを発売しました。

そして急拡大したSNSは、いつのまにか人々のネットワーク(つながり)をがっちり押さえてしまいました。

ではSNSがない90年代のつながりってどうなっていたでしょうか?

『モーニング・グローリー』×「ネブワース・ライブ」

当時はまだ大きなレコードショップがロンドンにも東京にもたくさんありました。

タワーレコードHMVヴァージンメガストアディスクユニオンあたりにいけば目当てのCDがなんでも手に入りました。

つまり実店舗で音源を買うということがつながりの入り口だったわけです。

私が現地のレコードショップで『モーニング・グローリー』を買っているよに、あの女子たちも買うか万引きして手にしていることでしょう。

そしてもしかしたら、ネブワースのライブに行っているかもしれません。

後にノエルギャラガーはネブワースのライブの意義をこう現しています。

 インターネット誕生前の最後の盛大な人々の集会

あの時すでにSNS時代の到来を予見していて、アナログによる最後にして最高の偉業という意味でヒストリカル(歴史的)といっていたなら、ノエルギャラガーはビルゲイツよりも随分と先をいってたってことですよ。

 
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