東京ありがた記

東京ありがた記

Arigataki is written in Tokyo.

東京谷中古民家通りにて

ふるカフェ系のインフルエンサー来たる

谷中霊園は山手線の日暮里駅からすぐ近くだ。鶯谷駅のラブホテル街も目と鼻のさきゆえ、お墓越しにホテルのネオンがよく見える。

最近では外国人観光客が多く、彼らが墓場のなかを散策している光景をよく見かける。

春には桜並木が見れるが、ここ数年ソメイヨシノの具合が悪いのか、枝の伐採が進んでいる印象で、かつてのように空を覆いつくすような感じにはなっていない。これは近くにある都内随一の桜の名所である上野公園でも言えることだ。

桜もよいのだが、個人的には上野側に軒を連なる墓参用の花屋の建物群が見どころだと思う。

どの建物も個性的でいちいち造りの趣味がいい。

その中の一軒に重要文化財に指定された建物がある。

最近花屋にカフェが併設されたことで、ある人物の目に止まったらしい。

古カフェ系インフルエンサーのハルさんだ。

ほんとはNHKEテレの番組の人物なのだが、結構長く続いている隠れた人気番組だ。

内容はハルさん(もじゃもじゃ頭の二枚目)が、古民家カフェを訪ねて、建物を内覧して、食事して、カフェにいる人とお話しするということをひたすら繰り返すというものだが、このように毎回様式が定まっているという意味では、こちらも根強い人気がある「孤独のグルメ」にも通じている。

人は様式美(まんねり)に安心感を抱くのかもしれない。

私も様式美が嫌いじゃないので、この古カフェは毎週視聴していたわけだが、いつかくるかもと思っていたらほんとに来た。

放送後、店の前には早速「ハルさん」の看板が設置されていた。

これからこのカフェは激混みになるだろう。

すぐ近くにある谷中銀座もよくテレビで特集されているが、そのたびに何でもないお菓子や定食屋とかに行列ができている。

テレビの影響力はいまだに健在なのだ。

そういえば、谷中銀座あたりの「孤独のグルメ」に出ていた饅頭屋がまだあったはずだ。

ドラマでは、井之頭五郎(五郎)さんが手土産にしていた設定だった。

店の中には今よりだいぶ若い五郎さんの記念写真が飾ってあった。

ハルさんも五郎さんも、演じる役者が元気なうちは番組も続いていくだろう。

人気者ってつらいね。