東京ありがた記

東京ありがた記

Arigataki is written in Tokyo.

ランチ選びのこれから。

■OLさんたちが言うところの「茶色メシ」という食べ物がある。ラーメンとかカレーとか牛丼などの食べ物を指すそうなのだが、OLさんたちから見るとそれらは茶色っぽく見えているという。だから「茶色メシ」。茶色メシ大好きなサラリーマンたちには思いもつかない表現だ。視点が全然違っていてとても面白い。

■例えばランチで多くのサラリーマンは“うまい早い安い多い“を基準に選ぶだろう。茶色メシはその結果といえる。一方でOLさんの場合は特に野菜の含有量がかなり重要な要素になっているようだ。そもそも彼女たちが「茶色メシ」と呼ぶ感覚は野菜の緑色がない見た目の違和感からだと思われる。そんな女性たちの旺盛なサラダ需要に応えようと街には色んなサラダが選り取り見取りに用意されている。ところがサラダをつけるくらいだったら生玉子とキムチを追加することを選ぶサラリーマンの本能のようなとのとは相容れない。これはまるでサラダが男女の間を隔てている壁のようだ。

■私たちはサラダのことでこれまで大問題になるようなことは特になかった。世界の平和を乱すようなことには多分ならない。でもひょっとしたら毎日の生活の中のすごく些細なところで影響が出ているのかもしれない。例えばこんなふうに。

■壁のあちら側では「男子って茶色メシ好きだよねー」というOLさんの声が聞こえてきそうだし、そしてこちら側では「なんでサラダとラーメンがおなじ値段なの?ありえない。」ときっと心の中で思っているはずだ。(ついでに「茶色メシ」を「三国志」に、「サラダとラーメン」を「男と男の恋愛(BL)」に置き換えてみてもいい。)

■私たちはこれからも共生していく関係であり続けるわけだけだから少しずつサラダの壁も越えていけるようになれたらいいなと思っている。歩みよりが必要だけど茶色メシをOLさんに薦めるのはあまりよい方法ではないだろう。茶色メシと蔑称しているように彼女たちは健康にも美容にもよくなさそうな食べ物への評価は辛辣だ。それよりもOLさんの方からサラダを薦めてほしい。OLさんから薦められたものは間違いないと思っているからだ。しかしその際にはOLさんが好むようなカラフルなサラダではなくまずはコールスローのようなマヨネーズ含有量が多めのやつでお願いしたい。《おわり》